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診療科目のご案内

女性外来(婦人科)

2023年度より新体制にてスタートいたしました

当院では同グループの 川崎幸病院第二川崎幸クリニックと連携し、患者さんに寄り添った医療を提供いたします。

子宮がん検診やその後の精密検査等のフォローを含め、様々な婦人科疾患に対応可能です。

女性外来が扱う主な病気

【婦人科疾患】

生理異常・生理痛・バルトリン腺嚢胞・腟炎・更年期障害・子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症・卵巣腫瘍

【女性泌尿器疾患】

尿もれ・子宮脱などの骨盤臓器脱

【性感染症】

クラミジア・淋菌・性器ヘルペス・尖圭コンジローマ・カンジダ・トリコモナス・梅毒

【避妊用ピル・緊急ピル】

ピル・アフターピル・避妊相談

【がん・がん検診】

子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん等

女性外来の特色

婦人科全般について

生理に関する悩み、陰部のトラブル、更年期に対するホルモンや漢方治療、ピルやアフターピルの処方など幅広く診療しています。

こんな症状でお悩みではありませんか

「生理じゃないのに出血した」=不正出血

「生理痛が強い」=月経困難症

「生理の量が多い」=過多月経

「膣から何か出ている」

「お腹が膨らんできた」=下腹部腫瘤感

女性泌尿器疾患について

尿もれや骨盤臓器脱(子宮脱など)など、婦人科と泌尿器科の境界領域にある女性特有の症状や疾患も診療しています。

婦人科良性腫瘍(子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫など)に対して

川崎幸病院にて手術を行っています。
腹腔鏡手術に積極的に取り組んでおり、大きな子宮筋腫・卵巣嚢腫も含めてほぼ100%腹腔鏡手術で行っています。子宮鏡手術も行っています。

子宮鏡手術

子宮鏡手術

子宮がん検診について

当院にて実施しております。 詳細は【健診のご案内】をご覧ください。
また、健診にて異常が見つかった場合の精密検査(コルポ生検)も当院にて対応可能です。

当院での精密検査について

子宮頸がん検診で異常を指摘された場合、必要に応じて行われます。
コルポスコープという拡大鏡で、子宮頸部の粘膜表面を拡大して細かい部分を観察する検査です。異常が疑われる部位の組織を採取(生検)し、病理検査へ提出します。

当院では、同グループの 川崎幸病院第二川崎幸クリニック と連携し、検診~精密検査~入院~外来フォローまで、一貫したトータル診療が可能です。

婦人科悪性腫瘍(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなど)に対して

川崎幸病院にて手術を、第二川崎幸クリニックにて外来化学療法を行っています。

川崎幸病院 婦人科
子宮がんについて
がんに対する第二川崎幸クリニックの取り組み

婦人科の病気について

子宮筋腫は30歳以上の女性の20~30%にみられる良性腫瘍です。筋腫は卵巣から分泌される女性ホルモンによって大きくなり、閉経すると逆に小さくなります。 複数個できることが多く、大きさやできる場所によって症状が違ってきます。子宮の内側にできた(粘膜下)筋腫は、小さくても月経量が多くなりやすいです。逆に子宮の外側にできた(漿膜下)筋腫は、大きくなっても症状がでにくいです。

診断方法

内診・超音波・MRI検査を行います。

治療方法

小さくて、無症状の場合は経過観察をしていきます。

  • 手術:基本的に挙児希望のある方は子宮筋腫核出術、挙児希望がなく根治療法を望まれる方は子宮全摘術を行います。現在川崎幸病院ではほぼ100%腹腔鏡手術が可能です。
  • 薬物治療:一時的に月経を止める偽閉経療法、低用量ピルの服用等のホルモン療法を行います。
    その他の治療法として、子宮を栄養する血管をつめてしまう治療法(子宮動脈塞栓術)もあります。

卵巣嚢腫は、卵巣に発生した液状の内容物が入った袋状の病変で、比較的若い方(20~30歳代)に多い良性腫瘍です。 水や粘液が卵巣の袋内にたまる嚢胞腺腫、皮膚や毛髪、歯などが組織に貯まる皮様嚢腫などがあります。 卵巣嚢腫は大きさによっては下腹部痛や下腹部の腫瘤感などの症状が出てきます。とくに皮様嚢腫の場合は茎捻転といって捻じれを起こすことがあり、救急受診となる場合もあります。また、無症状で健康診断や妊娠を契機に偶然発見されることもあります。

診断方法

内診、超音波、MRI検査などを行います。

治療方法

小さい嚢腫で悪性を疑う所見が乏しければ、超音波検査などによる定期的な経過観察を行います。また、一過性の腫大である機能性嚢胞や黄体嚢胞など自然に消退するものもあります。 ある程度の大きさ、疼痛や腹部の腫瘤感などがある場合は、手術の適応になります。術式としては年齢や挙児希望などに応じて、卵巣嚢腫摘出(正常卵巣部分を温存)と、付属器切除(腫大した卵巣全体を摘出)を検討します。

子宮内に似た組織が何らかの原因で子宮の内側以外の場所で発生し、月経が起こるたびに体内で炎症がおこり、周囲の組織と癒着を起こして痛みや不妊の原因となります。

20~30歳代の女性で発症することが多く、ピークは30~34歳といわれています。

診断方法

内診、超音波、MRI検査などで行います。

起こりやすい場所

卵巣やダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)、仙骨子宮靭帯(子宮を後ろから支える靭帯)、膀胱子宮窩(子宮と膀胱の間のくぼみ)などです。子宮の筋層内にできた場合は子宮腺筋症といいます。
まれではありますが、尿管・腸・肺などにできることもあります。

治療法

  • 痛みに対してはまず鎮痛剤を使用します。
  • 効果が見られないときはホルモン量の少ないピル(低用量ピル)や黄体ホルモン剤などの内服薬を用います。
  • 卵巣の内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)など病巣がはっきりしている場合は大きさや年齢、症状、挙児希望によっては手術を考慮します。

子宮内膜症は月経痛、骨盤痛、排便痛、性交痛など激しい痛みのために、会社を休まなければならなかったり、生活の質が損なわれてしまう病気です。 早く治療をすれば、日常生活を楽に過ごすことが出来ますので我慢せずに相談して頂ければと思います。また1%ほどの確率でがん化するリスクが指摘されているため、定期的な経過観察も大事です。

子宮は本来骨盤の中にある臓器です。
しかし分娩や加齢による骨盤底筋が弱くなってしまうと、腟を通して外陰部まで下がってしまうことがあり、子宮脱と呼ばれています。
不快感や排尿・排便障害の原因になります。軽症も含めると閉経後の約半数にみられると報告されているものもあり、決して珍しい病気ではありません。

通常時

子宮脱

診断方法

問診と内診を行います。

治療方法

  • 骨盤底筋体操
    「肛門や腟をしめるように力を入れてゆっくり10秒かぞえる」などご自身でとレーニングする方法です。
  • リングペッサリーによる保存的治療
    腟内にリング状の柔らかい器具を腟内に挿入して子宮を押し上げます。3~6ヶ月毎くらいの定期的な通院を要します。
  • 川崎幸病院では体に負担が少なく、再発率が少ない「腹腔鏡下仙骨膣固定術」を行っています。膣の壁をメッシュで釣り上げ、仙骨に固定する術式で、お腹を大きく切らずに穴だけを開けて行う手術です。
    詳しくはこちら 手術療法

提供:オリジオ・ジャパン(株)

婦人科領域の主な悪性疾患は子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんの3つとなります。発生部位によりそれぞれ特徴があり、いずれも腫瘍の広がり具合(進行期Ⅰ~Ⅳ期)に合わせて手術療法・化学療法・放射線療法等を検討していきます。
各疾患についての概要を以下に説明致します。

子宮頸がん

子宮頸がんは子宮の入り口(腟側に出ている部分)に発生する子宮のがんです。他のがんに比べると若い方に多く、20歳代から発症がみられ、ピークは40歳代です。 子宮頸がんの多くはヒトパピローマウイルスの持続感染により異形成から上皮内癌・浸潤がんへと進行します(子宮頸部異形成を参照)。初期の段階では無症状なことが多いため、子宮がん検診を定期的に受けることが大事です。

診断方法

内診、子宮頸部細胞診、コルポパンチ生検、MRI・CT検査などを行います。

治療方法

病変が子宮頸部に限局している初期がんは手術療法の適応になります。今後妊娠・出産を希望される場合、ごく初期の場合は円錐切除という部分的な切除のみも考慮されます。手術後の病理結果や、手術で完全切除が困難と思われる場合は放射線療法や化学療法を行うことがあります。

子宮体がん

子宮の内部(体部と言われる部分)から発生する子宮のがんです。閉経前後に発生しやすく、不正出血をきっかけに見つかることが多いです。 いわゆる「子宮がん検診」とは子宮頸がんの細胞診検査であり、子宮体がんの検査まで行っておりませんので、不正出血など気になる症状がみられる場合は婦人科診察をお勧め致します。

診断方法

内診、子宮内膜細胞診、子宮内膜掻爬術、MRI・CT検査などを行います。

治療方法

まず手術療法を行う場合が多いです。術式は治療前検査による進行期によって決定します。また初期がんで妊娠を希望される方にはホルモン療法による子宮温存療法も慎重に検討されます。手術後の病理結果によって化学療法を行うことがあります。

卵巣がん

卵巣がんとは文字通り卵巣から発生するがんです。主に50~60歳代に多く見られます。また卵巣腫瘍には良性・悪性の他に中間タイプの境界悪性というものがあり、ある程度の大きさにならないと症状が出ないことが多いです。 近年遺伝性の卵巣がんが報告されており、卵巣がんの約15%を占めると考えられております。

診断方法

内診、超音波、MRI/CT検査などを行います。

治療方法

卵巣は手術をしないと病理検査を行うことができないため、悪性が疑われた場合、術中迅速病理診断を行って術式を決定していきます。卵巣以外にも病変が広がっていた場合、術後に化学療法を行います。

子宮頸がんの95%以上はヒトパピローマウイルス(HPV)というウィルスの感染が原因です。HPVに子宮頸部の細胞が感染をすると数年~数十年かけて、正常細胞からがん細胞へ変化していきます。その過程で変化した病態を「子宮頸部異形成」と呼びます。
子宮頸部異形成には軽度(CIN1)、中等度(CIN2)、高度(CIN3)の3つの段階があり、高度異形成は上皮内がんに相当します。

診断方法

子宮頸部細胞診、子宮頸部組織診(コルポパンチ生検)
※肉眼ではわからないため、子宮がん検診によるスクリーニングが重要です。

治療法

軽度・中等度異形成において、半数以上は自然経過で正常に戻ることが多く、まずは定期的な診察で様子をみます。高度異形成以上は浸潤がんに進展する可能性が十分あるため、子宮頸部を円錐状に切除する手術(正常子宮は温存)を行います。

当院では、HPVワクチンの自費接種(3回で税込85,800円)を行っています。
9価ワクチン(子宮頸がんの原因となる16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型と、良性の尖圭コンジローマの原因となる6型、11型の9つの型に対するワクチン)であるシルガード9を採用しております。
※当院では公費定期接種は行っておりません。20歳以上の自費接種の方を対象としております。

有害事象などについては以下のリンクにてとてもわかりやすく説明していますので、是非ご一読ください。

リンク集

川崎市役所HP:川崎市での対応について記載があります。

https://www.city.kawasaki.jp/350/page/0000017492.html

厚生労働省HP :市民の皆さん向けに有害事象も含めてとてもわかりやすく説明してあります。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html

日本産科婦人科学会HP:詳しいデータを確認することができます。

http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4

担当医

上島 千春(Ueshima Chiharu)

上島 千春(Ueshima Chiharu)

■認定資格
日本産科婦人科学会産婦人科専門医
日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医

一般的な婦人科疾患に加え、骨盤臓器脱(膣から色々な臓器が脱出してくる疾患群で性器脱とも言います。脱出してくる臓器により、子宮脱、膀胱脱、直腸脱、小腸脱などと呼びます。)などの女性泌尿器疾患についてもお気軽にご相談ください。
外来診療から入院、手術、退院後のフォローまで、川崎幸病院と連携したチーム医療を実施しております。
(週一回、川崎幸病院にて勤務しております。)

外来診療表